コンプリート希望のお客さまを満足させられるか?
どうする安井商店
今年のブログは、売る側と消費者の関係性について考えるテーマしかない。
最近よく目にする飲料とコンテンツとのコラボ企画。
消費者は、お目当てのキャラが入った商品を手に入れようと血眼となる。
コンテンツ自体を丸ごとコンプリートしたいファンも当然ながら多い。
お客さまは商品の中味ではなく、自分の好みのキャラが入ったパッケージを求めている。
現場はなるべくそうしたお客さまの期待に応えたい。
それは自然なサービス精神ではなかろうか?
先日、当店は以下のような出来事に見舞われる。
某・酒造メーカーの企画ものが月初に発売。
ラベルのキャラクター柄は全10種類。
店としては、本来、賞味期限の兼ね合いもあって売れ残りは避けたい。
しかし、10種類を揃えたいお客さまを念頭に150本【1梱包が30本(5本×6P)を5セット】の発注をかけた。
発売当日、店頭に先ずは90本陳列。
早速、問い合わせのあったお客さまが来店。
倉庫に無線が入る。
「〇-〇・〇〇-と〇〇〇がないので在庫の中で確認してもらえますか?」
倉庫にいたワカが至急、確認。
倉庫にある在庫の60本に〇-〇・〇〇-と〇〇〇はなし。
当然、店の90本も確認済のため、150本中2種類が1本も入ってないという不測(不足?)の事態が発生。
店から再び
「何とかなりませんかねー。△△さん(某・酒造メーカー)に連絡取れませんか」
との要望が入る。
店の意向は、不足分の2種類を最低2、3本ずつ、他の多くある重複した種類との交換。
ここでもワカが△△さんのカスタマーセンターへ連絡を入れてくれた。
結果は、、、
「『しばらくお待ちください』って10秒ほど待った後、『ランダムに梱包してあるのでご了承下さい』やってさ」
想定内の塩対応。
ならばと、私がカスタマーサービスにメールで苦情。
以下、文面ママ
~JRA栗東トレーニングセンターで酒屋を営んでいる安井と申します。
競馬関係者の方々や当店を訪れる競馬ファンのお客さまに喜んでいただこうと150本発注いたしましたが、2種類(〇-〇・〇〇-と〇〇〇)が1本も入っていませんでした。
電話で問い合わせていただきましたが、
「ランダムに入っているのでご容赦下さい」
という回答でした。
150本中2種類が1本も入っていないのがランダムな梱包かなと疑問に感じています。
10種類をコンプリートしたいという競馬関係者の方々やお客さまの期待に応えることが出来ず、当店としては大変残念に思います。
(“どうだ!”)
と送信。
約2時間後に返信アリ
以下、原文ママ
安井真吾 様
△△株式会社お客様相談室でございます。
平素は弊社商品をご拡売賜り、誠にありがとうございます。
この度は弊社「商品名」の件でご不審な思いをお掛けしました事を心よりお詫び申し上げます。
5ケース仕入れていただきましたにもかかわらず8種類しか揃わなかった事に付きましては、誠に心苦しく申し訳なく存じます。
安井様のご指摘につきましては関係部署で必ず共有させていただき、販売店様の貴重なご意見として今後の商品企画の際の課題とさせていただきます。
この度は誠に申し訳ございませんでした。
皆様の感想はいかがでしょうか?
私が頭の良い人間なら150本中に2種類が1本もない確率を計算して、
「弊社のランダムの定義を説明して下さい」
と徹底論戦を挑むメールを返信したであろうが、ChatGPTが作成したかのような血の通っていないマニュアル通りの文面に戦意喪失。
マニュアルに感情をぶつけたところで仕方がない。
自分が惨めになるだけだ。
(とりあえず、売ってるところを探そう。)
私はそう気持ちを切り替えた。