安井商店ホームページに 武 英智調教師 高柳 大輔調教師 登場!!
前回のあらすじ→(http://yasui-sake.net/2264)
3月1日 15時過ぎ。
厩舎の交通規制解除を待って、
高柳大輔厩舎へ。
ごった返す大仲部屋の中に厩舎スタッフとミーティングする先生の姿が。
話し終えられたタイミングを見計らい、
「安井商店です!開業おめでとうございます!」
とご挨拶。
お祝い品の受け取り票と先生への控えをお渡し。
先生は少し疲れた様子でしたが、ピリピリもせず穏やかな感じでした。
しかし、周り(厩舎スタッフ)は仕事も始まっており、余計なお話は一切できない雰囲気。
(この状況で写真のお願いは無理やな。出直そう)
と退散。
今回の開業は6つの解散厩舎から約15名前後の厩舎スタッフがバラバラにシャッフルされ、4厩舎の開業スタッフに振り分けられています。
中には解散と共に空きがある既存の厩舎へ移籍するスタッフもいますが、基本そうです。
新しいスタッフの顔ぶれを見て、
(何々さんは安田厩舎に所属にならはったんやー)
(何々さんは高柳先生とこかー)
などと配達しながら、チェック!チェック!
言わば、小・中学や高校での進級時におけるクラス替えのイメージ。
なので、普段気さくに話しかけてくる厩務員さんなども少し慣れない感じで神妙な面持ち。
それぞれの厩舎でライバルだった面々が今度は同じ目標に向かって歩いていきます。
みなさん新しい職場で自分の立ち位置を決める第一歩。
様子見な感じで独特の空気感です(開業あるある➁)
新しい厩舎の空気がしっかり馴染むまで今しばらく時間がかかるでしょう。
そして、再び、武英智厩舎へ。
厩舎へ着くと、先生は大仲部屋でスタッフと談笑。
中の様子を伺うボクを窓越しに見つけると、
先生は気さくに外へ。
「先生、開業おめでとうございます」
とご挨拶。
受け取り票を提示し、先生の控え分の伝票を渡す。
その際、ホームページから注文いただいた愛知県の贈り主さんの照会をする。
「先生のお知り合いの方ですか?」
とボク。
「そうなんです。馬主さんなんです。」
と先生。
(そっかー。馬主さんだったんかー。)
馬主さんがウチの店のホームページを覗いてくれている。
その感動と
ブログで羽目を外し過ぎている恥ずかしさに
身震いと
背筋に冷たいものを同時に感じる。
(ちゃんとやらねば!)
先生は仕事を終えたスタッフに、
「みんなにお祝いのおまんじゅうを持って帰ってもらわないと。部屋行って取ってくるわ。」
と、大仲部屋から馬房を挟んで反対側にある調教師の部屋へと移動。
大仲部屋のスタッフは
「まんじゅうじゃなくて、おまんじゅう。育ちがいいなー。」
と先生をいじってはりました。
なかなかいい雰囲気。
次の日になりましたが、朝と午後の仕事の合間、先生が業者の方と談笑しているときにネームプレートの前で撮影をお願いしました。
「帽子被ってる方がいいですか?」
などと気を使ってもらったり、
優しく丁寧な応対に、
(先生と会った人はファンになるだろうなー)
と思う。
先生のお父様は元・ジョッキーの武永祥さん。
お祖父さまは元・調教師の武平三さん。
自身も約13年もの間、ジョッキーとして活躍。
当時から安井商店のお得意様としてお世話になっています。
今回開業された中では、再従兄弟である武幸四郎調教師と先生のお二方がジョッキー出身です。
ジョッキーから調教師への転身は言わば、
一匹オオカミから猿山のボスザルに。
点だけを進めていたことから面ごと押し進める作業へ。
先生の挑戦は始まります。
ボクが安井商店にお世話になりはじめた当時、
栗東トレセンには
武 邦彦厩舎と
武 宏平厩舎が存在していました。
武姓の厩舎がなくなってから幾分、時間が過ぎましたが、
再び、
武 幸四郎厩舎と
武 英智厩舎が立ちあがったことは、
古くから栗東トレセンに携わってきた者にとっては何だか感慨深いものがあります。
武英智厩舎を後にして高柳厩舎へ向かう。
(高柳先生いるかなー)
厩舎向かって右側の先生の部屋を覗いてみると、近くの馬房扉の前に女性と幼稚園の年少さんくらいの男の子が遊んでいる。
(先生の奥さまとお子さんがお手伝いかな?)
「開業おめでとうございます!」
ご挨拶をしてみる。
「ありがとうございます!」
「お手伝いですか?」
畳みかけてみる。
「そうなんですよー。こき使われてます(笑)」
(奥さまである。)
「先生、いらしゃいますか?」
「いますよー」
先生を呼んでくれる奥さま。
写真撮影とホームページ掲載をお願いする。
お祝いのお花の前で記念の一枚いただきました。
撮影中、奥さまが
「男前に撮ってあげてくださいね。なんなら加工してもらってもいいですから(笑)」
と冗談を飛ばし、場が和む。
なんという神対応。
本当にありがとうございました。
先生は今回開業された安田翔伍先生とは同じ安田隆行厩舎出身。
翔伍先生と同じく厩務員から調教助手という過程を経て、調教師試験に合格。
今回の開業に至ります。
お兄さまの高柳瑞樹調教師は、一足早く関東(美浦)で開業されています。
先生は厩舎従業員という立場から厩舎経営者に。
言わば、独立起業。
これからは厩務員さん、調教助手さん、所謂ホースマンと呼ばれる馬のスペシャリスト達を束ねていきます。
スペシャリストだけにホースマンのみなさんはそれぞれ、馬に関しては強烈な思い入れやプライドをお持ちです。
その環境の中、調教師は自分の理想とする戦闘集団を作りあげなければなりません。
先生は開業週が終わった翌週になっても、人気のない厩舎でひとり残って作業されてました。
穏やかな人柄の中にも、開業という選ばれし者を決める競走(調教師試験)から抜け出してこられたガッツを感じます。
(カワイイ盛りのお子さんがいる。早く家に帰りたいに違いない。)
などと勝手に推測。
「お疲れでしょ?」
と声を掛けると、
「疲れてますねー」
と先生はひとこと言って
少し笑われた。