『価値』『傾聴』『信頼』『信用』『共感』『誠実』『感動』『熱狂』
常連さんと共に作り上げるファンベース
店のファン度(信頼し続けてもらう)を上げる秘訣として、
先ず確認しておかなければいけない事は、
『店が大切にしている価値とは何か?』
という事だ。
そこが曖昧なら、事業主と従業員が今一度、それを再考し、共有しておく必要がある。
価値自体を皆で共有できていなければ、価値を上げる事は不可能だからだ。
店に理念がなく、価値を明確にできないなら、常連さんの店に対する言葉や意見を『傾聴』する事が出発点となる。
担当が各々の常連さんの声を汲み上げ、店の良さを分析し、皆で共有する。
要望に対しては、迅速な対応を取る。
改善できる事に関しては素早く修正し、無理な点は誠意ある説明をする。
いずれにせよ、都合の悪い事も放置せず、何かしらの素早いアクションや対話をすれば、それは店への信頼に直結する。
次に、
『創業ストーリーや商品開発の苦労話を恥ずかしがらずに前面に出す』
「そこまで大袈裟なものはない」
なら店や商品の愛着につながる仕掛けを考える。
佐藤さんがヒントとして、このようなTwitterを引用していた。
“ 居酒屋経営してるんだが
おにぎりがぜんぜん売れなかったの
ふと思いついて
「なっちゃん(バイトの可愛い子)が握った真心おにぎり」
と表記したら、
あっという間に毎日売り切れるようになった ”
『モノ』の背景に『人』がいることをどのように感じさせるかがポイント。
共感するものに、人は強い繋がりを求める。
値段や品揃えも当然、重要ではあるが、最も大切なのは、店側のこだわりや店員の熱意だ。
Twitterの
『なっちゃんが握った真心おにぎり』
の品名表記は
お品書きの値段や品数よりも常連さんの心に刺さったに違いあるまい。
最後に
『それが本当に誠実なやり方なのか、どうかを自分に問いかける』
佐藤さんは、セミナーの中で
「店の売り上げの8割を支えてくれているのは、店の顧客の20%の常連さんというべき人たちだ」
という事を何度も強調していた。
続に言う『パレードの法則』だが、私もその20%の常連さんの顔を何度も頭に浮べてみた。
この頭に浮かんだ常連さんは、商品でもなく、まして価格でもない理由で当店を利用してくれている気がする。
なぜなら、当店は、JRA栗東トレーニングセンター開業当時から御園1028という、トレセンマーケット敷地内に立地。(詳細はコチラ→http://yasui-sake.net/shop)
そのような特質から、お客様の8割方が競馬関係者だ。
栗東トレセンと共に50年余り。
そうした人間関係や利便性によって当店は選ばれている。
顔の見える信用性こそが当店の強みだと私は思う。
故に競馬関係者の仕事スタイルに沿った業務の進行、関連施設、進物にまつわるお好み等の情報収集、
「さすが!安井商店。頼んで良かった」
と喜んでもらえる配達を心掛けている。
佐藤さんがセミナーで語っていた
「お客様に感動や熱狂を与える」
までは到底及ばないが、それが現状、自分に出来る精一杯の誠実さだ。
物価が軒並み上がり、光熱費も上がり続けている。
小売り業界にとっては、大変厳しい状況が今後も続くに違いない。
不景気になれば、他の業界からの参入もあり、仁義なき戦いに晒される。
このような状況を鑑みて、常連さんにとって不利益な事を強いる頻度が多くなるが、
だからこそ、丁寧な説明や対応をしていきたい。
『価値』『傾聴』『信頼』『信用』『共感』『誠実』『感動』『熱狂』
ファンベース(感動や熱狂)を作り上げる過程で必要なアイテムは、基本的で地味な事だ。
その繰り返しによって、
常連さんに
「大切に思われてる」
と感じてもらえたなら、店にとっても、私にとっても、この上ない幸せである。