2017年G-1戦線開幕!! フェブラリーSは名勝負数え唄の決着の舞台に
こんにちは!サブです。
今週末はいよいよ今年一発目のG-1レース、フェブラリーSが行われます。
ブログのことを考え、早くから有力馬を担当している厩務員さんにモーションをかけていましたよ。珍しく。
今回協力していただいた庄野厩舎のO野さんとは共通の厩務員さんが友達であったこともあり、厩舎界隈で出会うと親しくお話しする間柄。
ビールがお好きで独身の頃から店のお得意さんでもあります。
O野さんから
「ノンアルコールビールは龍馬1865が一番ビールに近くて美味しいですよ」
「一番搾りの地方缶シリーズは『横浜』が一番美味いです」
などのアドバイスをうけ仕入れ商品の参考にさせてもらうことも。
そんなO野さんの担当するニシケンモノノフ号がフェブラリーSに出走濃厚となった15日火曜日、厩舎にお邪魔しました。
まずは庄野先生にご挨拶
「先生、先週末の重賞(共同通信杯)勝利おめでとうございます。今週もですか?」
先生は
「まぁまぁまぁまぁ」
とだけ答えてくれはりました。
『まぁ』の意味が
「まぁまぁです」の『まぁ』なのか
「まぁまぁまぁまぁ(黙って見てなさいよ)」の『まぁ』なのか
どちらにも取れるし、どちらにも取れないようなトーンだったので、先生の腹の内が全く読めませんでした。
でも、厩舎全体の流れは間違いなく良い勢いなので何も問題なし。
モノノフが待つ馬房へ移動。
初めて目にするモノノフは鼻(口?)を飼葉桶(馬の飼料を入れる容器)に突っ込み、大きく跳ね上げていました。
ボクはO野さんに
「『エサがない』言うてますよ。食い足りないんですか?」
と尋ねると、
「競馬前なんで抑えてるんですよー。カラダ絞ってるんです」
とO野さん。
聞くとこの1週間で20キロ減量したとのこと。
試合に向かって減量中のボクサーさながら、カリカリしているなーという印象でした。
「馬房に入れられると、外に出たいのかなぁ~少しやんちゃになります」
「でも乗ると大人しいですよ。走ると頑張りますよー。そこに関してはとにかくまじめ」
「あと調教はどの馬よりも早く一番にやりたがるんです。待てないんです。そういうとこはせっかちなんかなー」
ホームセンターで購入した木製の球体にクリームを塗り、モノノフの馬体を丹念にマッサージしながら、おっとりした優しい口調でモノノフの気性を語ってくれたO野さん。
自らもトレセン施設内にあるトレーニングジムで約1時間カラダを動かすことを日課としています。
「筋トレをするとカラダはだんだん柔らかくなるんです。自分のカラダではそうです。マッサージもテニスボールでカラダのコリを解すみたいなのあったじゃないですか!そんなんを参考に馬の筋肉の疲れを解す工夫を考えてます」
ボクが
「自分がトレーニングして体感したことを馬体のトレーニング後のケアにフィードバックしてるってことですよね?」
と尋ねると
「そうです!」
とO野さん。
マッサージ中、モノノフはうっとりした顔になったり、「そこそこ」みたいな感じで小刻みに両足を足踏みしたり、O野さんの腕は相当なもんでした。
入念なマッサージ 結構腕の力が要りそう
クリームと馬毛が付いたマッサージ用球体を洗浄。
「馬にも一重とか二重とかあるんですよ。コイツは二重のイイ目をしてます」とO野さん
どことなくO野さんと似た目でしたよ
「よく走ってくれるんですよー。絶対掲示板外さないですからねー。歴戦の激闘の疲れをとってあげないと」
と愛情タップリにマッサージを続けます。
2015年以降、2年間で16走して掲示板を外したのは、たった1度。
2011年3月11日東日本大震災の日に生まれたその馬体は名前の通り武骨な雰囲気を漂わせています。
ボクがブログで訪問したG-1出走直前のサラブレッド達は皆、最新マシーンで鍛え上げられたトップアスリートのようなピカピカのカラダつきでしたが、モノノフのそれは腕立て伏せや腹筋と言った自重トレーニングを何年も休まずコツコツ続けて作り上げたようなガタイでした。
とにかく、地力(地足)が強そう。
O野さんについてもう少し。
以前のブログで寺島調教師の開業の模様をリポートさせてもらいましたが(詳しくはコチラ→http://yasui-sake.net/703)寺島先生が休みを地方競馬観戦に充てていたと書いています。
その地方競馬観戦にいつも連れ添っていたのが、何を隠そうこのO野さん。
寺島先生とO野さんはほぼ同時期に大久保龍志厩舎に籍を置き、よく働き、よく遊び、しのぎを削る日々を過ごしました。
先日、寺島先生が結婚された際にも笠松競馬に赴き、O野さんが協賛レースを個人オーナーとして買取り「結婚おめでとう記念」という冠レースにして祝ったとのこと。
奇しくもその寺島調教師の管理馬であるキングズガードもフェブラリーSに出走します。
モノノフはそのキングズガードと過去2度にわたって重賞の舞台で激突しています。
1度目は2016年7月10日中京競馬場で行われたプロキオンS。
結果は モノノフ2着 クビ差で3着のキングズ
2度目は記憶に新しい2017年1月29日、場所を東京競馬場に移しての根岸S。
結果は キングズ4着 クビ差で5着のモノノフ
この2頭、O野さんと寺島先生がまるで乗り移ったかのようにお互いに譲らず、がっぷり四つの名勝負を展開します。
クビ差の1勝1敗。
まさに宿命のライバル。
(ちなみに中央競馬での獲得賞金は
モノノフ 16,803,4万円
キングズ 16,741,2万円 )
O野さんはモノノフの背中をさすりながら
「寺島さん(キングズ)には絶対負けません!」
と言いました。
その時モノノフは小さく頷いていました。(そう見えた)
武士(モノノフ)× 王の楯(キングズガード)
O野さんと寺島調教師。
ふたりのホースマンの意地とプライドを賭けて2頭は三たび相まみえます。
完全決着は2017年2月19日
最高の舞台である東京競馬場
フェブラリーS。
いざ!