私たちが生きている現代とは、人口減少・超高齢化・情報過多社会
前回のブログ(http://yasui-sake.net/4520)から続き
私たちが今、生活している世の中とは、どんな社会か?
このブログでは6つ挙げておく。
①人口急減
上図のグラフを拝借すると、人口の推移は、30年間で3千万人が減少するので計算上は毎年、100万人の人が減っていく。
イメージとして、100万都市である千葉や仙台が毎年、ひとつずつなくなっていくペースだ。
結果→物理的にお客さんが減る
②ウルトラ高齢社会
ベストセラー『ライフシフト』の中では、2007年生まれの日本人の約半数は107歳まで生きるとある。
私たちは人生100年時代の入り口付近にいる。
講談社現代新書・河合雅司さんの著作・『未来の年表』シリーズでは、2023年前後10年間に日本に訪れる現象として
2020年 女性の約半数が50歳超え
2024年 全国民の3人に1人が65歳超え
2026年 高齢者の5人に1人が認知症患者となる
2030年 団塊の世代の高齢化で東京郊外にもゴーストタウンが広がる
とある。
そんなに遠い未来ではない。
もはや現実だ。
結果→消費活動は、社会への先行き不安、自身の健康への不安、老老介護などへの出費に備え財布の紐が固くなり買い控えが始まる。
③人口の約半分が独身
国立社会保障・人口問題研究所の推計では、15歳以上の全人口に占める独身者数は増え続け、2035年には、男女合わせて4800万人を突破し全体の48%を占める見通し。
現実化すれば、家族需要や世帯需要が減る。
結婚、妊娠、子育て等の生活様式が変化する事による需要も当然ながら減る。
結果→多くの分野の新規顧客が減る
④スーパー成熟市場
多くの商品が高い普及率を示す市場を成熟市場と呼ぶ。
現在の日本は、世界を眺めても類を見ないほど、売り場、職場、家庭に物が溢れかえっている社会。
「品揃えを豊富にした方が売り上げが伸びる」
という経営方針を謳うあるスーパーを調査した米・コロンビア大学のシーナー・アイエンガー教授が行ったのが『ジャムの実験』
24種類と6種類のジャムを置いた店のそれぞれの売り上げを比較するというシンプルな実験で
24種類のジャム→3%
6種類のジャム→30%
という結果が出たそうだ。
結果→選択肢が溢れすぎている状況では、人は選ぶのをやめてしまう。
つまり、買うのをやめる。
⑤情報過多
アメリカのIDC社の調査によると、世の中に溢れている情報量は2011年の段階で『世界の砂浜の砂の数(1ゼタバイト)より多い』そうだ。
現代人は次から次へと流れてくる情報に対応することに精一杯。
しかも、人は「自分には関係ないと思われること」をすぐに記憶から消去する。
結果→店が伝えたい情報は「世界の中の砂の一粒」ほどの小さな存在
⑥エンタメ過剰
YouTubeでは、世界から1分間に300時間分の動画がアップされている。
300時間=12.5日分
たった1分に約12日分の動画が新たに加わる。
YouTubeだけではない。
モバイルコンテンツ、テレビコンテンツ、新聞、雑誌、小説、映画、音楽、スポーツ、ゲーム、休日のキャンプ、BBQ、ディズニーランド、USJ、、、、、
人々の興味を惹く、ありとあらゆるエンタメが溢れかえっているのが今の世の中の現状だ。
結果→このような状況下で、新たに自社の思いや存在を認知してもらうのは至難の業。
問題解決の糸口を掴むためには、現実を直視しなければならない。
現実は、かくも厳しい。
【参考文献】『ファンベース』 佐藤尚之・著 ちくま新書