おかげさまで『勝馬』完売!! 平成最後の天皇賞が行われた京都競馬場に行って参りました!
朝7時の開門と同時に場所取りにダッシュする競馬ファンの方々。その光景はさながら、西宮神社で行われている開門神事・『福男選び』
「美味しいですよー」
「売れてますよー」
大柄なその男性は穏やかな笑みを浮かべながら、お酒の前で立ち止まる競馬ファンに軽いジャブを浴びせ、その距離をじわりじわりと縮めていく。
そして、安井商店オリジナル清酒『勝馬』を売り切るべく、息せき切って京都競馬場に参戦した私サブの横で驚くほどのハイペースでお酒を売り捌いていく。
そのソフトな低音ボイスの持ち主は、何を隠そう山本本家の営業部長であるS江氏だ。
一年の大半を関西国際空港(略して関空)で過ごすS江氏は、山本本家自慢の純米大吟醸『神聖』を年間1億2千万売り上げる営業の達人である。
前の週(4月21日)に『勝馬』を売りに来ていたワカから
「サブさん!今度横で一緒に酒を売る『神聖』のS江さんはスゴイでー。ビックリすると思うわー」
と聞いていたボク。
(何がそんなにスゴイんやろか?)
と、あまり気にも留めなかったが、今、目の前でその凄みをイヤと言うほど見せつけられている。
競馬場でのお酒販売特設ブースに足を運ばれるファンや、足を止めるファンの方の購入動機で考えられるのは2点。
ひとつは根っからの酒好きな人。
もうひとつは、競馬場に来たお土産ものとして。
なので、その2点に引っかからない人は私たちには目もくれず素通りである。
大部分の人間が競馬を楽しみに競馬場へ来ている。
(あまりしつこく声を掛けてもなー。買う人は買ってくれるし、買わない人はどんだけ勧めても買わないやろうし)
みたいな甘い決意でいた私。
そんな私に冷水を浴びせるべく、高い酒から順番に次々とお酒を売っていくS江氏。
いつしか、S江氏の虜になっている自分に気がつく。
『勝馬』を売るのをそっちのけで、S江氏の営業っぷりに目を凝らす。
よくよく聞いてみると同じことしか言っていない。
「このお酒、関空で年間1億2千万円売れています。美味しいですよー」
「お客さんが見ているそのお酒、関西の百貨店で売り上げナンバーワンです。こちらの小さいお酒はお求めやすくなったバージョンです。京都大丸で一日60本以上は確実に売れてます」
「味は獺祭よりフルーティーです。獺祭がフルーティーだとしたら、このお酒はチョーフルーティーです。」
「山田錦の三割五分磨きのお酒と言ったら、大体中身は三等級の山田錦か、水で薄めてあります。特等米で三割五分で5千円切るお酒と言ったら日本でこの酒だけです」
「常温で呑んでも超フルーティーですが、氷で割るとお酒がキュッと締まってよりフルーティーになります。関空で外国人が試飲したら『ドイツの白ワインみたいだ』と言います」
『菊燦然』の前で立ち止まるファンには、
「京都競馬場を代表するお酒がこの『菊燦然』です。菊花賞が3000メートルで争われる競走であることから『菊燦然』と言う名前が命名されました。通常、菊花賞の時にしか売りませんが、天皇賞でも競馬ファンの人に買っていただこうと少しだけおいてあります」
「武豊ジョッキーが3000勝達成の時に掲げたお酒が『菊燦然』の別バージョンである『武燦然』です。今ではプレミアものでしょうね。先日、武豊ジョッキーが4000勝した際に『武四千』を造ろうかみたいな話がありましたが、語呂もイマイチなんで実現しませんでした。」
女性の方を見つけると、
「このお酒を関空で購入した韓国人はインスタグラムでメチャメチャ上げています。百貨店のバレンタインデコーナーで女性はこのお酒を3本購入して帰られます。なんで3本か?一本はお父さんに。もう一本は、義理のお義父さん。最後の一本は自分のため。それぐらいフルーティーです。」
等々・・・・・・
この内容をお客さまの反応によってマイナーチェンジしながら、繰り返し繰り返し
(これでもか!)
と言わんばかりに語りかけていきます。
すべてに全力で、その熱はとどまることを知りません。
(『勝馬』も負けてなるものか!)
私の意識は
『たくさん売ってみせる』。
その方向へどんどん変化していくことになる・・・・・
新しい時代『令和』を堪能したいあなたへ
新入荷のお酒を紹介しておきます。
京都北山の羽田酒造さんから数量限定発売の
初日の出 純米酒 新元号 祝酒
内容量 720mℓ
価格 1296円(税込)
京都北山の自然の大気と桂川上流の伏流水が醸し出す上品な味は、新しい時代でも変わらず、呑み助の舌を癒してくれること間違いなし。
店頭にて陳列してますので、ぜひ手に取ってみてくださいね。
*今回のブログは前回、私が考えていた内容と大きく異なることとなりました m(__)m